◆「総攻撃~戦いの後」の巻
いよいよ総攻撃である。火蓋は切って落とされた。両軍入り乱れての激しい乱闘が繰り広げられた。
土煙と硝煙が舞い上がり、ここかしこで斬りあう武士達。刀の触れ合う音と叫び声があちこちで聞かれる。
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戦いの火蓋が切って落とされた瞬間 |
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硝煙や土煙が立ち込める中での乱闘 |
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怯むな、突撃じゃあああああ! |
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いざ、覚悟なされい!! |
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激しい乱闘の場面 |
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火縄銃を装着する鉄砲足軽 |
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退却じゃああ! |
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本庄隊は一丸となって敵に突っ込んで行った。こたつ殿、梵天丸殿も突っ込んでいく。まさに猪武者、独眼龍と異名を取るだけのことはある。途中までは一緒だったのだが、無我夢中で乱闘しているうちに影虎は他の隊士たちといつしかはぐれてしまった。
まさに孤立無援。
と、眼前には見覚えのある武士達が居た。
宮下帯刀左衛門尉殿、猛馬飼育係殿、三浦介星友殿、石野真琴殿ら宮下隊の面々である。
天晴れ良かろう敵がな…
それがしは斬り合い善戦したが、多勢に無勢、敵の集中攻撃を受け、あえなく討ち死に。
享年433歳…
と、武田方の記録にはこのように記されている。
しかし、遺品が何一つ発見されなかったことから見ると、そのことには疑念を抱かざるを得ない。
実はそれがしは生きていたのである。傷を負い、出血はしたものの、急所は外れていて命に別状はなかったのである。
気を失っていたのを見て討ち取ったと思い、武田方は早々に引き上げたからであろう。
しばらくして影虎は息を吹き返した。奇跡的に軽傷だったので、自力で陣地に戻っていったのである。
影虎が陣地に戻ってきた頃には戦いはもう既に終わっていた。
武田方とは既に和議が結ばれていたのである。
ちょうどこの時、両軍の陣地では鎮魂の儀式が執り行われていた。
儀式が終わり、戦奉行が謙信公に戦況の報告をした。
謙信公:「此度の戦の諸将の戦いぶりは如何ばかりであったか?」
戦奉行:「はっ、本庄越前守繁長殿の隊の戦いぶりはそれはそれは目覚しく…」
謙信公:「であるか。本庄越前守繁長よ、此度の戦働き誠に大儀であったぞ。苦しゅうない、近う寄れい。共に記念写真に入って呉れようぞ。」
本庄越前守繁長:「有り難き幸せに存知まする。」
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謙信公と本庄越前守繁長・馬廻り衆 |
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謙信公と本庄越前守繁長隊
(画像提供:こたつ殿) |
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謙信公と馬廻り衆 |
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そして本庄隊の面々は謙信公に御礼を申し上げて退出する。ここで今度は別働隊、傭兵隊の面々と会った。
惟新殿:「いやあ、此度の戦はよか戦いが出来たでごわす。釣り野伏せの戦法で思いっきり戦えたでごわす。どうね、記念に写真ば撮らんね。」
一同はここでも記念撮影を。
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本庄越前守繁長隊と別働隊・其の壱 |
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本庄越前守繁長隊と別働隊・其の弐
(画像提供:こたつ殿) |
河を渡って対岸に着くと、今度は先ほどの武田方の武士達が待ち構えていた。
それがしの姿を見て彼らは一様に驚いていた。
宮下殿:「貴殿…、い、生きて居ったのか…」
まさに信じられないという顔である。
それがし:「急所を外れていて助かった。息を吹き返したので御座る。」
宮下殿:「生き返ったとは…、ご冗談も休み休みに為されい…」
どうしても信じられないといった様子である。
星友殿、猛馬飼育係殿:「敵ながら天晴れでありましたぞ。」
それがし:「忝ない。」
宮下殿:「ともあれ、和議が成り、先ずは目出度い。記念撮影を致しましょうぞ。」
こうしてここでは敵味方の将兵が仲良く写真に納まるという次第になったのである。
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和議が成った直後の上杉・武田両軍の将兵・其の壱 |
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和議が成った直後の上杉・武田両軍の将兵・其の弐 |
宮下殿:「此度は和議が成ったものの次なる戦いでは討ち果たして呉れようぞ。」
それがし:「望むところで御座る。」
ここで彼らとはひとまず別れた。
尋常小学校までの道をこたつ殿と飲料水を飲み、雑談しながら帰った。
戦闘中ずっと喉の渇きに苦しめられていたので水がこの上なく美味いものに思えた。
小学校に着くとすぐに武装解除し、平服に戻った。
ここで自分の領地に戻る者、茶を飲みに出かける者など様々いたが、我々は健康ランドの横の食堂にて酒を呑むことにした。
我々が席に着くとほどなくして先ほどの武田方の将兵たちが現れた。
ここでは昼間の殺伐とした雰囲気は微塵も無く、和気藹々とした宴となった。
ふと周りを見ると実に様々な御仁がいて実に面白い。
猛馬飼育係殿、東方賓従者殿は麦酒のお代わりの疾きこと、風の如し。
じーや殿、こたつ亭主殿は他の御仁の話を黙って聞き入り、静かなること林の如く。
それがしは宴の様子の写真を掠め撮ること、火の如く。
宮下殿、星友殿、およね殿、梵天丸亭主殿は泰然として動かざること、山の如くであった。
あとの面々はそれぞれ、話に花を咲かせていた。
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戦いの後の宴で盛り上がる諸士・其の壱 |
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戦いの後の宴で盛り上がる諸士・其の弐 |
途中、テレビで昼間の合戦が放映されるに及び、歓声をあげるという一幕もあった。
19時半、楽しかった宴もひとまずお開きになり、解散と相成った。
ここで宮下殿が声をかける。
宮下殿:「その怪我、重傷で御座ろう。それがしの屋敷の近くに隠し湯が御座るゆえ、案内致す。それがしの車に乗られい。」
それがし:「忝のう御座る。」
かくして宮下殿、およね殿、それがしの3人は車で武蔵に帰還したのである。
※今回の合戦では実に得がたい物を得ることが出来、実に有意義な経験をした。これもお世話になった各人のお陰であると心から感謝している。
別してこたつ隊の幹事をされた、こたつ城主殿、それがしを車で送り迎えして下さったこたつ亭主殿、宮下殿、瓢箪や地酒を用意して下さったじーや・うーろん御夫妻、美味しいお菓子を作って持って来て頂いた志摩の守殿の奥方、その他こたつ隊の面々、宮下隊の面々、この場をお借りして篤く御礼申し上げまする。
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