■温泉とは何か?

◆温泉の定義

昭和23(1948)年に制定された「温泉法」には以下のように定義されている。

「この法律で温泉とは、地中から涌出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう」

そして、次の項目のうちの1つでも満たせば温泉ということになる。

1 泉源から採取されるときの温度が25度以上あること。

(当時はサンフランシスコ平和条約の締結前であり、法律上は台湾も領有していたことから、その当時の日本国内における平均気温が25度くらいであった。つまり、水温が平均気温以上あること)

2 1瓩(きろぐらむ)のガス性のものを除く溶存物質の総量が1000瓱(みりぐらむ)以上あること。

3 遊離炭酸など、以下の一覧表にある18種類の固有成分が(1つでも)規定量以上含まれていること。



物質総量 1000瓱以上 遊離炭酸 250瓱以上
リチウムイオン 1瓱以上 HAaO4イオン 1.3瓱以上
ストロンチウムイオン 10瓱以上 メタ亜ヒ酸 1瓱以上
鉄(Ⅱ)、鉄(Ⅲ)イオン 10瓱以上 硫化水素、HSイオン、S2O3イオン
1瓱以上
バリウムイオン 5瓱以上 メタホウ酸 5瓱以上
マンガンイオン 10瓱以上 メタ珪酸 50瓱以上
水素イオン 1瓱以上 炭酸水素ナトリウム 340瓱以上
臭化物イオン 5瓱以上 ラドン 20(100億分の1キュリー単位)以上
ヨウ化物イオン 1瓱以上 ラジウム塩 1億分の1瓱以上
フッ化物イオン 2瓱以上


以上のことから、たとえ泉音が常温を大きく下回るような場合でも含有成分が規定量以上の場合は、温泉ということになる。
(大分県・寒の地獄温泉など)