■2002謙信公祭(其の参)  

※この頁の写真はすべてまめのすけ殿より頂いたものを掲載させて頂きました。
まめのすけ殿、誠に忝のう御座りまする!

さて、合戦場に着き、隊列を組んだ辺りから空も暗くなってきた。
背景音楽も合戦気分を盛り上げてくれる。

◆ナレーション:

「今から時を遡ること400幾余年…かつてこの春日山城を居城として越後の龍と称された漢がいた。
その武勇、その信義の厚さを全国に鳴り響かせ、現在にまで語り継がれるその人こそ上杉謙信公である。」


「謙信公は、この春日山城主・長尾為景の末子として生まれ、長尾家の菩提寺・林泉寺にて幼少を過ごしたが、その類まれなる才能を群雄割拠の動乱の時代が捨てておかず、やがて時代の表舞台に導かれていくのである。」



ここで木浦上越市長扮する謙信公に率いられた上杉軍が入場、整列する。


◆そして再びナレーション

「この頃、戦国の龍・謙信公は動乱渦巻く越後を見事にまとめあげ、宿敵・甲斐の虎・武田信玄に領地を奪われた数々の諸将への正義を貫くべく12年の間に5度も川中島に出陣し激戦を繰り返している。」


「また、北条攻めでは関東勢10万を率いて小田原城を包囲し、関東管領に就任。
名を長尾景虎より上杉政虎と改めた。」


「其の頃甲斐の虎・武田信玄は謙信公の小田原城攻めの隙をみて川中島・海津城を補強。信濃侵攻を着々と進めていた。」

「永禄4(1561)年、謙信公は小田原より春日山城に帰り、電光石火の勢いで総勢18000の軍を集結、自ら13000の兵を従え、今まさに妻女山に陣を構えて決戦を待ち望むのであった。」


「一方、謙信が妻女山奇襲との狼煙を受けた武田軍は主力17000を率い、海津城に入場。
龍虎あいまみえる川中島合戦の中で最も激しい死闘とされた、世に言う八幡原の戦いの開戦前の光景である。
越後の龍・上杉勢の後方部隊・約5000を断ち切る布陣を敷いた甲斐の虎・武田軍のこの時の総勢は海津城の部隊と合わせ20000と云われている。」


ここで、まず舞台の上の上杉軍陣地では武締式が執り行われた。あくまでも主役は我らだと言わんばかりである(爆)。
式次第は春日山神社でやったのとほぼ同じことである。


             
ついで舞台の外の合戦が行われる場所の隅で武田軍の三献の儀が執り行われる。
哀れなる哉、彼らはこの地においては脇役であり、上杉の引き立て役でしかなかったのである…(泣)


両軍の儀式が終わったところで、両軍はそのまま対峙するも、両軍とも一向に動く気配はない。
痺れを切らした信玄は山本勘助の意見を取りいれ、武田軍は啄木鳥の戦法(※)へと向かうのであった。

武田信玄:
「それにしても常に疾風の如き戦をする謙信め、今回は妻女山に登り微動だにせぬ。此度の戦、今までに無い激しいものとなりそうじゃ。」

山本勘助:
「恐れながら御館様に申し上げます。この戦長引けば本領より遠き我が軍の不利は必至、別働隊に妻女山後方を突かせ、上杉勢が妻女山を下ったところを本隊が八幡原にて迎え撃つのが得策かと思われます。」

武田信玄:
「うむ、あい判った。これより高坂弾正隊を先鋒とした別働隊12000は妻女山後方を突き謙信をいぶり出せ。本隊は八幡原を目指す!」


ここで高坂弾正隊は広場の東にある東城砦の丘の上へと登っていく。


※啄木鳥の戦法:啄木鳥は虫を食べる際にまず穴の反対側をつつき、驚いて穴から出てきた虫を捕らえて食べるという。
それを戦法にも取り入れたもので、まず上杉軍の陣地・妻女山の背後から別働隊の高坂弾正隊を差し向けて、攻撃させ、八幡原に誘い出した上杉軍を本隊が迎え撃つというものである。
しかし、この作戦は後述するように事前に謙信公によって察知され、失敗。勘助はその責を重く感じて自ら死地に赴き、壮絶な討死を遂げたという。






一方、上杉方では…

宇佐美定行:
「殿! 恐れながら申し上げます。我が軍、善光寺よりの補給を絶たれ、兵糧にも事欠く始末、皆の士気も下がっております。我が本隊と善光寺の後詰めにて一気に信玄を討つのが得策かと考えますが…」

上杉謙信:
「あせるな、この戦、我慢比べじゃ! 今に信玄が痺れを切らして動く、そこを一気に叩く。
(海津城を)見よ。宇佐美、何か判らぬか?」

宇佐美定行:
「???」

上杉謙信:
「見よ、いつもより炊煙が多かろう。皆の者、山が動くぞ! 我が軍はこれより信玄の裏を掻き妻女山を下り、八幡原に出陣する。
よいか、この動き決して信玄には悟られるな。しんがりは甘粕に任す。妻女山に松明を掲げこの動き見破られぬように致せ!」


こうして上杉軍は鞭聲粛々と隊列を整えたのであった。





◆ナレーション

「御存知、鞭聲粛粛夜河を渡ると歌われた一節である。
歌の通り13000もの兵は武田方に気付かれること無く千曲川を渡る。
また信玄の動きを悟った炊煙とは米を炊く時に上がる煙のことであり、それがいつもより多いということは武田軍が戦の準備をしていたと謙信公は感じ取ったのである。
これは謙信公がいかに細やかな所まで気が付くかを表したエピソードであるといえよう。」



こののち前哨戦ともいうべき武田・上杉両軍の忍者同士の対決が繰り広げられる。

      
死闘を繰り広げる両軍の忍者 辛くも武田方の忍者を倒す


死闘の末、武田方の忍者を倒した上杉方の忍者は他にも伏兵がいるのを鋭く察知し、上杉軍最強の部隊(爆)・姫武者隊と子供武者隊を呼び出す。
案の定、彼らの前に立ちはだかる武田伏兵。
しかし伏兵は数十米離れたところにいるが、姫武者隊大将・松江の合図の下、「えい!」の掛け声のもとに一斉に刀を振り下ろした。

すると何としたことであろうか?!

伏兵は数十米も離れているにも関わらず皆悶絶し、そのまま息絶えてしまったのである!

恐るべき超能力集団、流石は上杉軍団最強というだけのことはある(劇爆)。
武田伏兵と対峙する姫武者隊


      何事が起こったのか?!転がる伏兵の死体


さて、八幡原に到着した上杉軍は鉄砲隊を構えさせ、霧が晴れるのを待っていた。
だが、武田軍はこの時点まで上杉軍の動きを察知できていなかったという。

やがて、霧が晴れ、眼前に上杉軍が居るのに驚いた信玄は自軍の鉄砲隊にも構えさせる。
そして両軍の鉄砲隊が対峙する。

鉄砲隊は二陣に別れ、「前へ!」、「構え!」「放て!」の合図で発砲、そしてすぐに退却する。





鉄砲隊の次は我が本庄実乃槍隊の出番である。
対する相手は内藤修理槍隊である。

「槍隊、前へ!」、「かかれ!」の合図の元、一斉に攻撃する。





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